日本のサプリメント市場の歴史について

1.黎明期(1970年代以前):自然食品と「食薬区分」の誕生

かつての日本には「サプリメント」という言葉はなく、クロレラやローヤルゼリー、あるいは「紅茶キノコ」といった自然派由来の健康食品が主流でした。
しかし、1971年(昭和46年)に**「無承認無許可医薬品の指導取締り(46通知)」**が出され、大きな転換点を迎えます。
これにより、錠剤やカプセル状のものは原則として「医薬品」とみなされるようになり、食品としてのサプリメントは、あえて三角形や変わった形にするなどの「グレーゾーン」での苦肉の策を強いられる時代が続きました。

2.成長期(1980年代~90年代):トクホの誕生と規制緩和

1980年代、米国のライナス・ポーリング博士による「ビタミン・ブーム」が日本に波及し、消費者の意識が変化します。
1991年には世界に先駆けて**「特定保健用食品(トクホ)」**制度がスタート。国が個別に効果と安全性を審査する仕組みが整い、大手企業の参入が加速しました。
また、1990年代後半には規制緩和が進み、それまで薬局でしか買えなかった栄養ドリンクがコンビニで買えるようになるなど、健康食品がより身近な存在となりました。

3.拡大期(2000年代~2010年代):保健機能食品制度の確立

2001年、**「保健機能食品制度」が創設され、一定の基準を満たせばビタミンやミネラルの機能を多大なコストをかけずに表示できる「栄養機能食品」が登場しました。
これにより、錠剤・カプセル形状も正式に食品として認められるようになります。
さらに2015年には、企業の責任で科学的根拠を届け出る「機能性表示食品」**制度が開始。
トクホに比べて開発スピードが格段に上がり、市場には特定の部位(目、膝、睡眠など)への効果をうたう商品が爆発的に増加しました。

4.現代(2020年代~):パーソナライズと信頼性の時代

現在は、コロナ禍を経て免疫への関心が高まったほか、AIや遺伝子検査を用いたパーソナライズ・サプリメントが登場しています。
一方で、成分の安全性や品質管理(GMP認証)への要求も厳しくなっており、消費者が「自分に本当に必要なもの」を科学的な視点で選ぶ時代へとシフトしています。

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